
アメリカ海軍のニミッツ級原子力空母「エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln:CVN-72)」は、2026年10月8日(木)、約10カ月半にわたる展開を終え、母港であるカリフォルニア州サンディエゴのノースアイランド海軍航空基地に帰港した。
「エイブラハム・リンカーン」は、2025年11月21日(金)にサンディエゴを出港。今回の展開では、第3艦隊、第5艦隊、第7艦隊の各作戦区域で活動し、太平洋や南シナ海、インド洋、アラビア海などを航行した。展開期間は321日間に及び、総航行距離は9万3,000海里以上、洋上補給の実施回数は72回、航空燃料の補給量は2,050万ガロン以上に達した。また、搭載する第9空母航空団の航空機は、1万3,000回以上の出撃を行い、総飛行時間は2万8,500時間に上った。
同艦を中心とする第3空母打撃群は、2026年1月下旬にアメリカ中央軍の担当地域に入り、イランに対する軍事作戦「エピック・フューリー作戦(Operation Epic Fury)」に参加した。第50任務部隊として、イラン南部沿岸での作戦を主導し、40日間の主要な戦闘作戦では、第9空母航空団が約4,000回の戦闘出撃を実施した。
アメリカ海軍によると、同任務部隊はイラン側による無人機、ミサイル、小型艇を用いた100件以上の攻撃を阻止したほか、第9空母航空団は数千の目標に対し、合計150万ポンド以上の弾薬を使用したという。
4月8日(水)の米国とイランの停戦後、第3空母打撃群はアラビア海北部やオマーン湾でイラン船籍の船舶を対象とする海上封鎖任務に移行した。その後、7月にはホルムズ海峡におけるイラン側の商船攻撃を受け、イランの沿岸防衛システムや巡航ミサイルの保管・発射施設に対する攻撃にも参加した。8月22日(土)に中央軍の担当地域を離れ、帰国の途に就いた。
今回の展開では、2025年12月と2026年9月にグアム、2026年7月にオマーンのドゥクムで短時間の補給寄港を実施したほか、9月2日(水)から6日(日)にかけてタイのパタヤに寄港した。グアムからドゥクムまでの連続洋上活動日数は208日間、サンディエゴ出港からパタヤへの寄港までの連続洋上活動日数は286日間に達し、アメリカ海軍は現代の空母として記録的な長さだったとしている。
第3空母打撃群のロバート・ロックラン少将は、今回の展開について、厳しい環境下で任務を遂行した乗組員や海兵隊員の功績をたたえた。また、「エイブラハム・リンカーン」艦長のダン・キーラー大佐は、長期にわたる高い作戦活動水準の維持について、乗組員らの対応力を評価している。
第3空母打撃群は「エイブラハム・リンカーン」を旗艦とし、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦「フランク・E・ピーターセン・ジュニア(DDG-121)」、「スプルーアンス(DDG-111)」、「マイケル・マーフィー(DDG-112)」などで構成され、第9空母航空団の固定翼機・回転翼機70機以上が参加していた。








