画像提供:U.S. Department of War

アメリカ海軍は、ハワイ諸島周辺で実施している環太平洋合同演習「RIMPAC 2026」において、退役したタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦「モービル・ベイ(Mobile Bay:CG-53)」とタラワ級強襲揚陸艦「ペリリュー(Peleliu:LHA-5)」を標的艦とする沈没演習「SINKEX」を実施した。「モービル・ベイ」は2026年7月12日(日)、「ペリリュー」は7月17日(金)にそれぞれ撃沈された。

両艦は、カウアイ島北岸から50海里以上離れた、水深約1万5,000フィート、約4,570メートルの海域に沈められた。アメリカ海軍は、一連のSINKEXを収録した約59秒の映像を公開している。

SINKEXには、オーストラリア、カナダ、イタリア、日本、ニュージーランド、スペイン、アメリカの部隊が参加した。アメリカからは海軍、空軍、陸軍が参加し、各部隊は海上の標的艦に対する照準、実弾射撃、精密攻撃などの訓練を実施した。

「モービル・ベイ」を標的とした訓練では、7月11日(土)、カウアイ島の太平洋ミサイル試射施設「Pacific Missile Range Facility(PMRF)Barking Sands」で、陸上自衛隊とアメリカ陸軍が共同射撃を実施した。アメリカ陸軍側は、ケンタッキー州兵第623野戦砲兵連隊第1大隊の高機動ロケット砲システム「HIMARS」部隊が参加し、両国部隊が沖合の同じ標的艦に向けて地対艦ミサイルとロケット弾を発射した。最後の射撃では、日米双方の弾薬がほぼ同時に発射された。

このほか、アメリカ陸軍第16戦闘航空旅団のAH-64攻撃ヘリコプターが、「モービル・ベイ」に対して長距離精密誘導ミサイル「SPIKE NLOS」を発射した。

「ペリリュー」を標的とした7月17日(金)の訓練では、スペイン海軍のアルバロ・デ・バサン級フリゲート「アルバロ・デ・バサン(Álvaro de Bazán:F-101)」が、ハープーンを発射した。スペイン海軍によると、同艦の攻撃は海上自衛隊の護衛艦「こんごう(DDG-173)」と連携して実施された。

また、アメリカ海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦「コロンビア(Columbia:SSN-771)」は、水中から2発のUGM-84ハープーンを発射し、「ペリリュー」に命中させた。

「モービル・ベイ」は、1987年2月に就役したタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦。1990年には横須賀基地を拠点とするアメリカ第7艦隊に配備され、湾岸戦争やイラク戦争などに参加したほか、1991年のフィリピン・ピナツボ火山噴火では人道支援活動に従事した。36年以上にわたって運用され、2023年8月に退役した。

「ペリリュー」は、1980年5月に就役したタラワ級強襲揚陸艦で、排水量は約4万トン。飛行甲板から各種航空機を運用できる大型揚陸艦として、湾岸戦争やイラク戦争に参加したほか、ピナツボ火山噴火や2010年のパキスタン洪水に伴う人道支援活動にも従事した。35年間で17回の海外展開を実施し、2015年3月に退役した。


情報発表元:U.S. Navy - U.S. and Partner Nations conduct SINKEX during RIMPAC 26