
海上保安庁は、2026年5月21日(木)9時から、カナダ・ビクトリア沖合で、アメリカ沿岸警備隊、カナダ沿岸警備隊と合同捜索救助訓練を実施した。日本時間では22日(金)2時から実施された。
訓練は、海上保安庁練習船「いつくしま(PL-23)」の遠洋航海におけるカナダ寄港の機会を捉えて実施されたもの。カナダ・ビクトリア沖合を航行中のヨットが転覆し、乗船者が海中転落したとの通報を受け、付近海域を航行中の海上保安庁練習船、アメリカ沿岸警備隊船艇、カナダ沿岸警備隊船艇が連携して捜索救助を行う想定で実施された。
参加勢力は、海上保安庁から練習船「いつくしま」と搭載艇2隻、米国沿岸警備隊から87フィート級巡視船、45フィート級巡視船、航空機、カナダ沿岸警備隊から巡視船「Tanu」と47フィート級巡視船が参加した。訓練では、各機関の船艇が並走、横付けを行い、要救助者の搬送などを実施した。
海上保安庁によると、訓練を通じ、3機関が連携して行う捜索救助の手法を確認し、捜索救助に必要な技術と知識を共有した。また、「いつくしま」に乗船中の海上保安大学校実習生と、カナダ出港時から乗船したカナダ沿岸警備隊教育機関実習生にとって、他国の海上保安機関との連携と協力の重要性を学ぶ機会になったとしている。
今回の訓練は、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、法とルールの支配に基づく海洋秩序の維持と強化に関する取組で、諸外国の海上保安機関との連携と協力が重要になっていることを背景に実施された。海上保安庁とアメリカ沿岸警備隊は、1948年の海上保安庁創設期から交流しており、2010年に協力覚書「海上保安庁と米国沿岸警備隊との間の覚書」に署名、交換した。2022年には協力覚書に新たな付属文書を作成、署名し、共同オペレーションや合同訓練などを促進している。こうした日米の海上保安機関の共同取組は「SAPPHIRE(サファイア)」と呼称されている。
海上保安庁とカナダとの関係では、2026年2月、海上保安庁長官と駐日カナダ大使が「海上保安庁-カナダ漁業海洋省—カナダ沿岸警備隊間の情報交換の促進に関する協力覚書」に署名した。同覚書は、情報交換の促進を通じて「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた日加海上保安機関の連携と協力を図ることを目的としている。協力分野には、パトロールに関する情報共有、情報、知見、専門知識の交換の促進を目的とした通信訓練や机上訓練を含む合同訓練が含まれている。
「いつくしま」の2026年度遠洋航海は、海上保安大学校が初級幹部として必要な知識と技能の習得、精神力、実践力、統率力の錬成、国際感覚の涵養を目的に実施しているもの。航海期間は5月1日(金)から7月28日(火)までの89日間で、総航程は約22,000海里、約41,000km。乗船者は実習生58人、うち女性16人、乗組員など55人、うち女性6人となっている。寄港地はカナダのビクトリアとバンクーバー、アメリカのサンフランシスコとホノルル、オーストラリアのシドニー、シンガポール、フィリピンのマニラ。
海上保安庁は今後も、米国沿岸警備隊とは「SAPPHIRE」を通じ、カナダ沿岸警備隊とは協力覚書に基づく取組を通じて、連携と協力を推進するとしている。
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