イージス・システム搭載艦(Aegis System Equipped Vessel, ASEV)は、海上自衛隊が弾道ミサイル防衛(BMD)任務専従を主目的として整備を進める次世代イージス艦。地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」計画の停止を受け、その代替として洋上配備方式へ転換された。2020年12月の閣議決定により2隻の建造が正式決定され、2027年度末、2028年度末の順次就役が予定されている。
基準排水量は約12,000トン、全長190メートル、最大幅25メートルとされ、従来案より小型化しつつ高い機動力と持続展開能力を確保する設計となった。主機はロールス・ロイスMT30ガスタービン2基と電動機2基を組み合わせたCOGLAG方式を採用し、出力は約100,000馬力、速力は約30ノット。長期洋上任務を前提に居住性向上も重視され、乗員は約240名とされる。
中核装備はAN/SPY-7(V)1多機能レーダーを用いるイージス武器システム(AWS)ベースラインJ7.Bであり、SM-3およびSM-6による弾道ミサイル・極超音速滑空体対処能力を備える。Mk.41 VLSは128セルを搭載し、将来的には新型迎撃ミサイルや各種対空・対潜兵装の拡張にも対応可能とされる。さらにトマホーク巡航ミサイル運用能力、12式地対艦誘導弾能力向上型(艦艇発射型)の搭載も計画され、対潜戦闘システムAN/SQQ-89A(V)15JやSH-60K哨戒ヘリコプター1機の運用能力を有する。
船体分類記号はCG(ミサイル巡洋艦)と定められ、日本の自衛艦としては最大級かつ、BMD任務に常時対応する専従艦として極めて高い戦略的重要性を担う艦級である。