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防衛省は2026年4月22日(水)、岩国市役所で岩国市に対し、岩国基地を活用した「飛行艇ミュージアム」整備について、国による整備は難しいと説明した。展示も念頭に海上自衛隊第31航空群の格納庫で保管しているUS-1Aは、格納庫建て替え時期が迫っており、保管中の機体の取扱いに関する判断が必要な状況になっている。

説明は4月22日(水)16時20分から16時35分まで、岩国市役所3階の政策審議室で行われた。来訪したのは防衛大臣政務官の吉田真次氏で、岩国市の福田良彦市長と岩国市議会の片岡勝則議長が応対した。

防衛省側は、飛行艇ミュージアム整備を巡って、これまで岩国市と意見交換を重ねてきたとした一方、広報展示施設の整備には建設費と維持整備に多額の予算が必要になると説明した。海上自衛隊の航空機に関する広報展示施設としては鹿屋航空基地史料館を運営しており、同館ではUS-1A救難飛行艇1機をすでに展示していることも挙げた。

その上で、防衛省は、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の下で、新たな戦い方への対応や自衛隊員の処遇改善など、防衛力の抜本的強化に限りある財源を効果的に充てる必要があるとして、検討を重ねた結果、飛行艇ミュージアムの整備は国として難しいとの結論に至ったと述べた。米軍再編に伴う空母艦載機移駐受け入れ時の地域振興策として要望されてきた経緯は重く受け止めているとしながらも、岩国市の要望に応えられないとの認識を示した。

保管中のUS-1Aについては、飛行艇ミュージアムへの展示も念頭に置いて、現在も海上自衛隊第31航空群の格納庫で保管していると説明した。ただ、強靱化事業による格納庫の建て替えが始まると機体の保管が難しくなる見通しで、防衛省は取扱いに関する判断が迫っているとした。

防衛省は対応策の一例として、岩国市の希望を確認した上で、パイロットシートや操縦桿など機体の一部部品を貸与し、市が別の場所で整備中の博物館で展示することに可能な限り協力したいとの考えも示した。

福田市長は、飛行艇ミュージアムは2009年に岩国市が国へ要望した在日米軍再編に係る地域振興策の一つだったと説明した。さらに、市議会や岩国商工会議所からも国による航空博物館整備を求める要望があり、2019年には当時の原田防衛副大臣に「飛行艇ミュージアム」の整備を要望した経緯があるとした。

市側はこれまで、官民一体で辛坊治郎氏の講演会や飛行艇にまつわる企画展、「こども飛行艇教室」などを展開し、機運醸成と市民の自衛隊活動への理解促進に取り組んできたことも説明、福田市長は、防衛省の説明について国の事情は理解するとしつつ、これまでの地元の思いを考えると残念だと述べ、今後の対応は改めて市として方向性を示す考えを示した。

片岡議長も、岩国市議会が地方創生総合戦略調査特別委員会で施設の目的や概要を取りまとめ、2018年6月(月)に市へ「航空博物館の施設提案書」を提出したと説明した上で、飛行艇ミュージアム整備に大きな期待を寄せていたとして、国整備が難しいとの判断に残念との認識を示した。

岩国市は市長コメントでも、飛行艇ミュージアムについて、実現に向けて官民一体で取り組みを進め、市民の理解を深めてきたとした上で、国の事情は理解するものの大変残念だとした。今後は、空母艦載機部隊移駐後の市の負担と国防への貢献を踏まえた地域振興策の実施を要請するとともに、対応を総合的に判断するとしている。


情報発表元:岩国市 - 市立美和病院への研修医官派遣及び飛行艇ミュージアムについて(事後)
 
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