画像提供:運輸安全委員会

国の運輸安全委員会は2019年8月29日(木)、石廊埼沖で2017年に発生した、アメリカ海軍駆逐艦「フィッツジェラルド(Fitzgerald:DDG-62)」と日本郵船が運用するコンテナ船「ACXクリスタル」の衝突事故について、調査報告書を公表した。

事故は、2017年6月17日(土)に発生したもので、衝突により、「フィッツジェラルド」では乗組員7人が死亡、3人が負傷したほか、右舷艦体中央前部外板に破口等を生じて浸水した。「ACXクリスタル」は左舷船首部のブルワークが変形するなどの損傷を負った。

報告書によると、「フィッツジェラルド」が「ACXクリスタル」とは別のコンテナ船に注意を払い、「ACXクリスタル」に対する見張りを適切に行なっていなかったことが事故の原因とみられている。また報告書は、「ACXクリスタル」についても、昼間信号灯の照射を行なっていたものの、相手船の動作を理解することができないときは警告信号を行う必要があったと指摘している。

なお、今回の事故調査では、「フィッツジェラルド」側の調査はSOLAS条約が適用されず、運輸安全委員会による船体や海軍側の乗組員の直接調査は実施されなかった。報告書は、アメリカ沿岸警備隊、アメリカ海軍の調査・報告のほか、第3船の記録等も活用され取りまとめられている。


情報発表元:運輸安全委員会 - コンテナ船ACX CRYSTALミサイル駆逐艦USS FITZGERALD衝突
 
【関連ジャンル】
 船舶 : ACXクリスタル
 海運事業者 : 日本郵船
 海運事業者 : アメリカ海軍