画像提供:海上保安庁

海上保安庁は2025年11月15日(土)、神奈川県横須賀市のヴェルニー公園小栗広場において、観音埼灯台とフランス・ミリエ灯台との「姉妹灯台」提携に関する協力覚書への署名を実施した。

署名は、海上保安庁の瀬口良夫長官、横須賀市の上地克明市長、燈光会の久保成人会長のほか、フランス側からは海洋・漁業担当省海事・漁業・水産総局のエリック・バネル局長、ブレスト市のフォルチュネ・ペリカノ副市長、ブゼック=カップ=シザン市のジル・セルジャン市長、ミリエ灯台協会のクリスティーヌ・コルネ会長が参加し、関係機関の代表者によって覚書への署名が交わされた。

協力覚書には、両灯台とそれぞれの地域社会との間の歴史的および文化的つながりを促進することを目的とし、両灯台の歴史に関する写真や映像などの相互展示、人的交流や情報交換を目的とした訪問などが盛り込まれた。また署名式では、画家の武石尭氏によるミリエ灯台の油絵がフランス政府へ贈呈された。

この姉妹灯台提携は、2024年11月21日(木)に犬吠埼灯台とスコットランドのマル・オブ・ギャロウェイ灯台が締結した世界初の提携に続くもので、世界で2例目。日仏間における灯台の歴史的関係や地域の観光振興、関係者間の交流をさらに深める狙いがある。今後、展示物の相互展示や関係者の相互訪問が予定されているほか、国際航路標識機関の理事会でも本提携について報告される予定。

観音埼灯台は、日本初の洋式灯台として1868年11月1日に起工され、翌1869年1月1日に初点灯、設計はフランス人技師フランソワ・レオンス・ヴェルニーとフロラン兄弟が手がけた。初代灯台は横須賀製鉄所で製造されたレンガを使用した洋館建てであったが、大正時代の地震被害を経て再建され、現在の灯台は3代目のコンクリート造となっている。一方のミリエ灯台は、フランスのブルターニュ州フィニステール県、ブゼック=カップ=シザン市のミリエ岬に位置し、1881年3月に初点灯、設計はフランス人技師アレル・ドゥ・ラ・ノエが担当した。観音埼灯台の設計に携わったフロラン兄弟の出身地にあたる。

両灯台はいずれもフランス人技師による設計で、初代観音埼灯台と同じ家型の構造を持ち、フレネルレンズを使用している点も共通している。


情報発表元:海上保安庁 - 日仏姉妹灯台の誕生 ~観音埼灯台とミリエ灯台(仏)による「姉妹灯台」提携~
 
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