
ジャパン マリンユナイテッドは2025年7月23日(水)、三重県津市の津事業所においてIONIC SEMELI INC.向けに建造していたスエズマックスタンカー「IONIC SEMELI(アイオニック・セメリ)」を引き渡した。
同船は、世界各地の主要港湾の入港条件やスエズマックスタンカー市場のトレンドを踏まえ、津事業所において数多く建造されてきた同型船の実績を基に開発された新型船。従来船より燃費性能を向上させており、EEDI Phase 3、NOx TierIIIの国際的な環境基準に適合するほか、SOxスクラバーを搭載し環境負荷低減が図られている。
船型設計においては最新の解析技術を活用し、推進効率を最大限に追求。さらに、省エネ装置「Super Stream Duct」、「SURF-BULB」、「ALV-Fin」の最適配置と高効率プロペラの採用により、従来船と比較して大幅な推進性能の向上と燃費削減を実現している。また、波浪中の船首抵抗低減を目的とした「Ax-Bow」の採用や、風圧抵抗を低減した居住区配置により、実海域での性能向上も図られている。
主機関には電子制御エンジンMitsui MAN-B&W 7S60ME-C10.6-EGRBPを搭載し、NOx排出規制に対応。バラスト水処理装置や有害物質一覧表の保持など、各種環境規制に準拠した仕様となっている。外板には低摩擦塗料が使用され、貨物油タンクおよびバラストタンクの塗装にはIMOのPSPC規則に準拠した防食仕様が採用されている。
同船の主要目は、全長274.30メートル、幅48.00メートル、深さ23.15メートル、総トン数82,909、載貨重量159,000トン、航海速力14.5ノット、定員28名で、LR船級に所属し、船籍はマーシャル諸島。JMUは今後も経済性と環境性能を兼ね備えた船舶の建造に注力する方針。
情報発表元:ジャパン マリンユナイテッド - スエズマックスタンカー "IONIC SEMELI" 引渡【関連ジャンル】 造船メーカー : ジャパン マリンユナイテッド