
今治造船は2025年6月30日(月)、広島工場で建造していたオーシャン・ネットワーク・エクスプレス(ONE)向けコンテナ船「ONE SINGAPORE」を引き渡した。
「ONE SINGAPORE」は13,932TEU相当のコンテナ積載能力を持つ大型コンテナ専用船で、ホールドとデッキ上に多数の冷凍コンテナを積載できるほか、国際海上危険物輸送規則(IMDG Code)に対応した危険物の輸送にも適している。デッキ上には最大4段のラッシングブリッジを備え、積載効率と安全性の両立を図っている。
船体設計では、最新の解析技術を用いて運航頻度の高い船速と喫水に合わせた高効率の船型を開発。省エネデバイスとツイスト舵、海水との摩擦を低減する船体外板塗料を採用し、燃費性能を高めている。これにより、本船のEEDI(二酸化炭素放出抑制指標)は規則基準値から約60%削減され、国際的な環境基準を大きく上回る性能を有している。
また、実海域での性能向上を目的にBow Wind Coverを採用。排ガス規制への対応としては、硫黄酸化物(SOx)規制に適合するハイブリッド型排ガス浄化装置(EGCS)と、窒素酸化物(NOx)規制に対応する排ガス再循環システム(EGR)を搭載している。環境保全対策としては、バラスト水処理装置の装備と、シップリサイクリング条約に基づいたインベントリリストの搭載を行っている。将来的な代替燃料対応として、メタノールとアンモニアへの燃料転換や二酸化炭素回収装置に関するコンセプト設計を実施し、船級協会からの原則承認(AiP)を取得している。
「ONE SINGAPORE」は全長336.00メートル、幅51.00メートル、深さ30.10メートルで、総トン数は143,000。主機にはMAN ES製の7G95ME-C10.6型を搭載し、航海速力は約22.0ノット。ロイド船級協会(LR)の船級を取得し、船籍はシンガポールに登録されている。
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情報発表元:今治造船 - 13,900個積みコンテナ船「ONE SINGAPORE」竣工【関連ジャンル】 造船メーカー : 今治造船 広島工場