画像提供:三菱重工業

山口県下関市の三菱重工業下関造船所の江浦工場では、2023年5月29日(月)、萩海運向けに建造されている旅客船兼自動車渡船の命名・進水式が実施され、同船は「あいしま」と命名された。

新造船は、山口県萩市と同市内の離島・相島を結ぶ「相島航路」に就航予定の船舶で、全長は約37.7m、幅8.3m、総トン数約199トン、旅客定員数130人となっている。現行の「つばき2」を置き換える目的で導入されるもので、船尾端に港内可動橋との取り合い設備を設けることで、車両を直接乗り入れて作業ができるロールオン・ロールオフ方式荷役を可能としている。また、車いすによる乗下船が可能なバリアフリー通路も確保、荷役時間の短縮と利便性の向上を図っている。

このほか、エンジン2機、プロペラ2基、舵2枚の2機2軸2舵方式により、故障時にも片方のエンジンで航行可能としているほか、垂直船首を採用して推進性能の向上が図られている。また、横方向の推進力を得る動力装置のバウスラスタ、旋回能力に優れた特殊舵2枚の装備により、港内操船能力を向上、横揺れを低減するフィンスタビライザーを装備して乗り心地の改善も図られた。

室内旅客スペースには、リクライニング仕様の椅子席とクッション付き背もたれがあるフロアー席があり、専用トイレを含むバリアフリー対応設備が設けられる。

「あいしま」は今後、艤装工事、試運転などを経て2023年7月に萩海運へ引き渡される予定。


情報発表元:三菱重工業 - 三菱造船、萩海運向け旅客船兼自動車渡船の命名・進水式を下関で実施
 
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 造船メーカー : 三菱重工業 下関造船所