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2020年2月14日(金)以降、横浜港では、客船「ダイヤモンド・プリンセス」船内での新型コロナウイルス感染拡大に伴い、自衛隊が災害派遣に関連して使用するフェリー2隻が停泊している。フェリーの定期航路がない横浜港に、造船所へのドック入り以外でフェリーが複数隻同時に見ることができるのは珍しい。

横浜港に停泊しているのは、かつて新日本海フェリーで使用され、現在は高速マリン・トランスポートが保有する「はくおう」、シルバーフェリーの「シルバークィーン」の2隻で、いずれも防衛省の要請により横浜港へ集結、「ダイヤモンド・プリンセス」で支援に当たる自衛隊員の活動拠点・宿泊場所として使用されている。

各船の停泊位置


2月14日(金)に「シルバークィーン」が到着して以降、2月17日(月)に至るまで、上図の位置で停泊している。「シルバークィーン」は「ダイヤモンド・プリンセス」と向き合う形の停泊となる。本牧ふ頭に停泊している「はくおう」、大黒ふ頭に停泊している「シルバークィーン」をそれぞれ写真付きで紹介する。

はくおう


「はくおう」は、新日本海フェリーで2012年まで「すずらん」として運用されていたフェリーを防衛省のチャーター船として使用している船舶。総トン数は17,345トン、全長は199.5メートル。

今回の新型コロナウイルスに関連した災害派遣では、2月1日(土)に相生から横須賀沖へ回航、2月4日(火)に海上自衛隊 横須賀基地の岸壁に一旦着岸、2月6日(木)午後に横須賀から現在の横浜港 本牧ふ頭に回航された。


▲本牧ふ頭A突堤に着岸中の「はくおう」。撮影日(2月15日(土))は、船尾付近の岸壁に、陸上自衛隊 仙台駐屯地の東北方面衛生隊、東北方面後方支援隊の災害派遣車両が駐車していた。


▲船名「はくおう」の部分に、かつての船名「すずらん」の表記がかすかに残る。なお、「はくおう」の船籍は東京となっているが、普段は兵庫県の相生港を母港としており、今回、災害派遣に出動する際も、まず相生から横須賀へ回航されている。


▲灰色の帯が塗装されているファンネル部分にも、かつて運航されていた新日本海フェリーのマークが窺える。


▲「はくおう」と「ダイヤモンド・プリンセス」

シルバークィーン


「シルバークィーン」は、川崎近海汽船の「シルバーフェリー」において、1998年に就航した船舶。総トン数は7,005トン、全長134メートルで、2018年以降は、室蘭/八戸/宮古航路に就いている。

今回の自衛隊支援は、防衛省の要請に基づき実施されており、これにより、「シルバークィーン」による宮古/室蘭航路は、2月12日(水)宮古発便から2月29日(土)室蘭発便まで運休となっている。横浜港へは2月14日(金)午前に到着した。

なお、シルバーフェリーの宮古/室蘭航路は、収益の柱であるトラックの乗船台数が当初見込みを大幅に下回るなど厳しい航路運営が続き、2020年3月31日(火)をもって当面休止となることが2019年12月に公表されている。


▲「ダイヤモンド・プリンセス」と対面する位置で大黒ふ頭に着岸する「シルバークィーン」


▲「ダイヤモンド・プリンセス」はベイブリッジ側のT-3号岸壁、「シルバークィーン」は東京湾側のT-5号岸壁に着岸。


▲「シルバークィーン」の船首側ランプウェイは、右舷の側面にあり、大黒ふ頭には右舷を接舷しランプウェイを展開している。


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【関連ジャンル】
 船舶 : シルバークイーン(3代)
 港湾 : 横浜港 大黒ふ頭
 海運事業者 : 高速マリン・トランスポート
 海運事業者 : 川崎近海汽船