画像提供:名村造船所

名村造船所は2025年10月29日(水)、佐賀県の伊万里事業所で建造していた日本郵船向けのLNG/MGO二元燃料ばら積み運搬船「SG HORIZON」を竣工、引渡した。「SG HORIZON」は、名村造船所が手がける21万1千トン型のLNG/MGO二元燃料ばら積み運搬船として2番船にあたる。

同船は、主機関および主発電機関にLNGを主燃料とする方式を採用し、重油使用時と比較して二酸化炭素(CO2)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)の排出量を大幅に削減している。高圧型の主機関を採用することでメタンスリップの発生を抑制し、環境負荷低減にも寄与する設計となっている。

船型は豪州ニューキャッスル港への入港が可能な最大船型「NEWCASTLEMAX」を志向しており、石炭輸送に適した貨物艙容積を確保している。LNGタンクや燃料供給設備は船尾に配置されており、従来の重油船と同様の荷役オペレーションが可能となっている。

また、名村造船所が独自に開発した省エネ技術として、「Namura flow Control Fin(NCF)」や「フィン付き舵(Rudder-Fin)」、NCF後流の流場を改善する省エネフィンを採用することで燃料消費の低減を図っている。機関部の冷却にはセントラル清水冷却方式を導入し、船内のメンテナンス作業軽減を実現している。

環境面では、港湾内での汚水排出規制を考慮し、生活排水や汚水を貯蔵するタンクを装備。さらにバラスト水管理条約に準拠したバラスト水処理装置を搭載しているほか、エネルギー効率設計指標(EEDI)においては、基準値比30%以上の削減が求められる「EEDI Phase 3」を達成している。

「SG HORIZON」の主要諸元は、全長299.92メートル、型幅50.00メートル、型深さ24.70メートル、夏期満載喫水18.60メートル、総トン数112,098トン、載貨重量211,593トンで、主機関はMAN B&W 6G70ME-C10.5-GI-EGRBP型を1基搭載。乗組員定員は28名で、船籍は日本となっている。


情報発表元:名村造船所 - 21万1千トン型LNG/MGO 二元燃料ばら積み運搬船「SG HORIZON」竣工
 
【関連ジャンル】
 海運事業者 : 日本郵船
 造船メーカー : 名村造船所 伊万里事業所