画像提供:第三管区海上保安本部

第三管区海上保安本部と東京電力ホールディングスは、2025年10月3日(金)、災害発生時における迅速かつ円滑な応急対策の実施を目的とした相互協力に関する協定を締結した。

2024年1月1日(月)に発生した能登半島地震では、土砂崩れや法面崩落による道路寸断と、護岸隆起による港湾機能不全が電力復旧に影響を与えたと考えられている。この経験を踏まえ、東京電力の供給エリアに含まれる半島や離島、内陸山間部、湾岸橋梁部といった孤立の恐れがある地域での電力復旧に向けた備えを強化するため、両者が協定を締結するに至った。

協定では、第三管区海上保安本部が保有する巡視船艇などを活用し、災害により陸路が寸断された地域や離島へ、東京電力グループの資機材や人員を輸送することが盛り込まれた。一方、東京電力グループは、管内に点在する自社施設のアセットを活用し、災害時には海上保安庁の活動拠点への電源供給や施設・敷地の提供を行う。

10月3日(金)は、第三管区海上保安本部事務所にて協定締結式が実施され、式典には第三管区海上保安本部長の赤松宏樹と東京電力ホールディングス代表執行役社長の小早川智明が出席した。赤松本部長は、孤立のおそれがある地域や伊豆諸島、小笠原諸島といった離島を多く抱える管轄区域において、海からの支援が不可欠であるとし、本協定が復旧作業の迅速化に重要な役割を果たすとの認識を示した。また今後は連携訓練を通じて、実効性のある相互協力体制の構築を進めていく意向を示した。

小早川社長は、電力の安定供給が企業の最重要課題であるとした上で、南海トラフ地震などの巨大災害への備えが一層求められている現状に言及、今回の協定が、孤立地域への物資・人員輸送や被災地への電源供給といった対応力の強化につながるとし、電力インフラを担う企業としての責務を果たす姿勢を強調した。


情報発表元:第三管区海上保安本部 - 第三管区海上保安本部と東京電力ホールディングスの 相互協力に関する協定の締結について
 
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