画像提供:海技教育機構

海技教育機構(JMETS)は2025年8月29日(金)、海技大学校(兵庫県芦屋市)において、海上での実務経験がない人を対象にした「新5級(航海)コース」を2026年10月にも開設する方針を明らかにした。これは2025年6月に国土交通省の「海技人材の確保のあり方に関する検討会」で取りまとめられた、船員養成ルートの多様化策に基づくもの。

従来、船員の養成は中学校や高校の新規卒業者を主な対象としてきたが、少子化などの影響で多くの養成機関で定員割れが常態化している。このような状況を受け、JMETSは陸上の企業や団体からの転職者を想定した新たな養成コースとして、1年間で5級海技士(航海)免許の取得を目指す同コースを創設する。

新設されるコースでは、約6か月の練習船実習を含む1年間のカリキュラムを通じて、船員としての経験がない受講者にも対応する教育を実施する。修了者は、国家試験である5級海技士(航海)試験の筆記試験が免除され、口述試験の受験資格が与えられるよう、現在、国土交通省との調整が進められている。募集は2026年4月頃から開始される予定で、定員は10名を予定している。

なお、同コースは船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則の改正後に開設が可能となる見通し。JMETSは、全国8校の教育機関と5隻の大型練習船を運用する国内最大規模の船員養成機関であり、海技大学校ではこれまでも経験者を対象とした5級海技士試験の短期講習などを行ってきた実績を持つ。


情報発表元:海技教育機構 - 海技大学校に新5級(航海)コースを開設します
 
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