
©Funeco News
オーストラリア国防省は2025年8月5日(火)、海軍の次期汎用フリゲートとして日本の三菱重工業が建造する「もがみ型」を選定したことを発表した。今回の決定は、オーストラリア国防軍の能力要件と戦略的ニーズに迅速に対応可能と評価された結果で、当初予定より数カ月早い段階での選定となった。
選定された改良型もがみ型フリゲートは、航続距離1万海里、32セルの垂直発射システムを備え、対空ミサイルおよび対艦ミサイルを搭載する仕様となる。オーストラリア国防省によると、最初の3隻は日本で建造され、2029年にオーストラリアへ引き渡され、2030年に就役する計画。これにより、海軍は従来の計画より5年早く新たな水上戦闘艦を受領することになる。
今回の調達では、ドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズも競争的提案を提出したが、最終的に三菱重工業の案が選ばれた。オーストラリア政府は提案を行った各企業と日本およびドイツ両政府の協力に謝意を示している。
2026年には日本政府と三菱重工業との間で正式契約を結ぶ見通し。最初の3隻が日本で建造された後は、西オーストラリア州ヘンダーソン造船所の拠点整備を進め、以降の艦艇を国内で建造する計画が示されている。
今回の調達計画は、今後10年間で550億豪ドルを投じる海軍水上戦闘艦隊強化策の一環で、今後20年間で約1万人の雇用を創出すると見込まれている。新フリゲートは、現行のアンザック級フリゲートを置き換え、対潜戦および防空能力を備える。さらにハンター級フリゲートや改良型ホバート級駆逐艦、最新のミサイルシステムとあわせ、海軍の水上戦闘艦隊を倍増させる計画の中核となる。
今回の発表により、オーストラリア海軍はより大規模かつ即応性の高い水上戦闘能力を獲得する見通しとなった。
情報発表元:Australian Government - Mogami-class frigate selected for the Navy’s new general purpose frigates【関連ジャンル】 海運事業者 : オーストラリア海軍 造船メーカー : 三菱重工業