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海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、2018年9月21日(金)、日本海溝と千島海溝との巨大アウターライズ地震活動の違いを窺える地震波速度構造の変化を明らかにしたと公表した。

これは、日本海溝と千島海溝に沈み込む直前の太平洋プレート上で海底地震計を用いた大規模な地震波構造探査を実施し、両海溝域には同じ太平洋プレートが沈み込んでいるにも関わらず、日本海溝域の方がより深部までより顕著に地震波速度構造が変化していることを明らかにしたもの。観測された構造変質の違いは、日本海溝側の方が海洋プレートに取り込まれる水量が遥かに多いことを示していて、これまでに発生したアウターライズ地震活動の違いを反映していることが考えられるとしている。

JAMSTECは、一般的にアウターライズ地震の断層は、海嶺付近で形成された古い断層が再活動する場合と、海溝近傍で新たに断層が形成される場合に分けられ、両海溝域における断層の発達様式を詳細に検討した結果、アウターライズ地震活動による構造変質の違いはこの断層種別の違いで説明できるとしている。

なお、研究成果は科学誌「Nature Communications」電子版に9月21日付けで掲載されている。


情報発表元:海洋研究開発機構 - アウターライズ地震活動による海洋プレート構造の変質 ~日本海溝と千島海溝における巨大アウターライズ地震活動の違い~
 
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