
イタリアの造船大手フィンカンティエリは2026年9月11日(金)、同社のアンコーナ造船所で、バイキング・クルーズ向けの新造客船「バイキング・アストレア(Viking Astrea)」の進水式を実施したと発表した。同船は、液体水素と燃料電池を一部利用する推進システムを搭載する予定で、2027年5月の引き渡しが予定されている。
進水式には、フィンカンティエリ・アンコーナ造船所長のジルベルト・トバルディ氏と、バイキングで船舶開発・建造担当バイス・プレジデントを務めるギスラン・ルマリエ氏が出席した。式典では、アンコーナ造船所の生産管理部門に勤務するフランチェスカ・バルディネッリ氏が進水式のゴッドマザーを務めた。
「バイキング・アストレア」は、総トン数約54,300トン、全長239メートルのクルーズ客船で、客室数は499室、旅客定員は998人。フィンカンティエリによると、液体水素と燃料電池を一部利用する推進システムが搭載される。
バイキングによると、同船は同社で2隻目となる水素動力のクルーズ客船。フィンカンティエリ傘下で燃料電池技術を手がけるイソッタ・フラスキーニ・モトーリ(Isotta Fraschini Motori)の技術を採用し、燃料電池システムは最大6メガワットの電力を供給できる。これにより、一定の条件下で排出ガスを発生させずに航行・運航することが可能となり、環境規制の厳しい海域へのアクセスにも対応する。
進水工程は、建造ドックへの注水を開始するためのセレモニーから始まり、約2日間をかけて船体を浮上させる。その後、「バイキング・アストレア」は近隣の艤装岸壁へ移され、内装工事など最終段階の建造作業が進められる。
同型の「バイキング・リブラ(Viking Libra)」は、「バイキング・アストレア」に先行する同社初の水素動力クルーズ客船として建造されており、2026年11月の引き渡しが予定されている。「バイキング・アストレア」は2027年5月の引き渡し後、初年度は地中海や北ヨーロッパを巡るクルーズに投入される計画。







