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国土交通省 関東運輸局は2024年12月6日(金)、東海汽船に対し、輸送の安全確保等に関する警告書を発出した。これは、同社が運航する「セブンアイランド大漁」で2023年9月4日(月)に発生した機関停止・岸壁への接触事故を対象とした警告。関係官庁への報告を怠ったことなどが問題視された。

この事故は2023年9月4日(月)9時10分頃、熱海港を出港した「セブンアイランド大漁」が、直後にウォータージェットポンプにゴミを吸い込み、エンジン2機のうち1機が停止したことで発生した。安全確認と乗客の下船を行うため、稼働中のもう1機のエンジンを使用して接岸作業を行った際、船体が岸壁に軽く接触した。その後、詰まっていたゴミを除去し、エンジン2機の再始動を確認。試運転後、乗客を再度乗船させ、10時53分に定期航路へ復帰した。

関東運輸局の公表によれば、当該事象は、運輸局や海上保安官署に報告されていなかった。2024年9月24日(火)、国土交通省が設置している旅客船の通報窓口に対し、法令違反の疑いがある旨の情報があったことを端緒とし、2024年10月11日と10月15日に監査を実施、事故に関する報告義務違反や安全管理規程の不遵守が確認され、今回、警告書の発出に至った。この警告書では、安全統括管理者、運航管理者、船長らに対し、関係法令遵守の徹底と適切な事故処理を指示。再発防止策として、事故報告体制の改善が求められている。

東海汽船の違反点数は今回の件で8点が加算され、熱海~大島航路の違反点数が8点となった。なお、同社は今回の件とは別に、2024年9月25日(水)付で同年7月に発生した「セブンアイランド愛」の漂流事故に関し、東京~大島~神津島航路で違反点数11点が加算されている。違反点数は付与された日から1年間を経過する日をもって消滅する。

東海汽船株式会社は今回の行政指導を受け、全社的に再発防止策を講じ、利用者に対し安全な航路運営の提供を目指すと表明している。関東運輸局は、2025年1月14日(火)までに同社への対応報告を求めている。


情報発表元:国土交通省 - 輸送の安全確保等に関する警告書を発出しました
 
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 船舶 : セブンアイランド大漁
 海運事業者 : 東海汽船