画像提供:運輸安全委員会

日本郵船は2022年8月18日(木)、石廊埼沖で2017年に発生した、アメリカ海軍駆逐艦「フィッツジェラルド(Fitzgerald:DDG-62)」と日本郵船が運用するコンテナ船「ACXクリスタル」の衝突事故に関し、当時駆逐艦に乗艦していて死亡したアメリカ海軍の乗組員の遺族などが米国第5巡回区連邦控訴裁判所に申し立てていた損害賠償請求の再審理について、これが棄却されたと公表した。

事故は、2017年6月17日(土)に発生したもので、衝突により、「フィッツジェラルド」では乗組員7人が死亡、3人が負傷したほか、右舷艦体中央前部外板に破口等を生じて浸水した。「ACXクリスタル」は左舷船首部のブルワークが変形するなどの損傷を負った。

乗組員の遺族7名と当該事故で負傷したと主張する乗組員やその配偶者など50名超は、2019年11月に日本郵船に損害賠償を請求する訴訟を米国ルイジアナ州東部連邦地方裁判所へ提起、2020年6月4日に却下されたものの、同年6月18日に第5巡回区連邦控訴裁判所へ控訴、2021年4月にこれも控訴棄却となり、遺族らは2021年7月に第5巡回区連邦控訴裁判所へ再審理を申し立てていた。今回の棄却は、この再審理に対して下されたもの。2019年の訴状では、請求金額の合計は約2億9千2百万米ドルとなっていた。

なお、日本の運輸安全委員会が2019年8月に公表した報告書によると、「フィッツジェラルド」が「ACXクリスタル」とは別のコンテナ船に注意を払い、「ACXクリスタル」に対する見張りを適切に行なっていなかったことが事故の原因とみられている。また報告書は、「ACXクリスタル」についても、昼間信号灯の照射を行なっていたものの、相手船の動作を理解することができないときは警告信号を行う必要があったと指摘している。


情報発表元:日本郵船 - (開示事項の経過)当社に対する損害賠償請求訴訟についての再度の控訴棄却判決に関するお知らせ
 
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 船舶 : ACXクリスタル
 海運事業者 : 日本郵船
 海運事業者 : アメリカ海軍