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国土交通省と内閣府は2025年12月26日(金)、2035年に必要な日本の船舶建造能力の確保を目指し、船舶建造能力の目標と実現に向けた取組を示す「造船業再生ロードマップ」を策定した。

ロードマップでは、四面を海に囲まれエネルギーや食料などの自給率が低い日本において、貿易量の99.6%を担う海上輸送が国民生活・経済活動に不可欠なインフラであることを踏まえ、海上輸送に必要な船舶の安定供給を担う造船業を、経済安全保障の観点から重要な産業と位置付けた。中国・韓国との競争環境の中で建造量が減少傾向にある一方、ゼロエミッション船に代表される次世代船舶の需要など、世界の造船市場に将来の需要が見込まれる状況も背景に挙げた。

現状認識として、国内の建造量は減少傾向が継続しており、2019年の1,600万総トンから2024年には900万総トンへ低下したと整理した。日本船主の1年間の造船需要を下回り、海外造船所に依存せざるを得ない状況があるとし、この傾向が続く場合は国内サプライチェーンの維持が難しくなり、タンカーやばら積み船などの建造で他国依存が高まるおそれがあるとした。伸び悩みの要因として、韓国・中国の造船所と比べた事業所規模の小ささ、鋼材・資材高騰を背景とした船価の高さと競争の厳しさ、人材不足の深刻化が挙げられている。

目標は、現在約900万総トンの年間建造量を2035年に1,800万総トンへ引き上げ、日本船主の船舶建造需要予測量を国内で建造できる水準を目指すものとされた。あわせて、ゼロエミッション船など次世代船舶の建造技術で世界を主導することや、国際社会における日本の造船業の役割の確立も掲げられている。取組は、船舶建造体制の強靭化、造船人材の確保・育成、脱炭素化等を通じたゲームチェンジ、安定的な需要の確保、同志国・グローバルサウスとの連携の5本柱で整理し、DXやロボット・AIの活用、業界の垂直・水平連携、国際海事機関(IMO)でのルール策定議論の牽引、海運税制措置の継続、海外を含む修繕拠点の確保・整備などを方向性として示した。

投資面では、ロードマップに基づき2035年までに官民で1兆円規模の投資実現を目指す枠組みを示し、造船企業の資金調達を後押しする金融支援、造船業再生基金などによる機器導入・施設整備や先端技術の開発・実証支援、GX経済移行債を活用したグリーン投資などを組み合わせる方針とした。

国土交通省は2025年12月23日(火)に「造船業再生に向けた検討会」を設置・開催し、船舶建造体制の強靭化や造船人材の確保・育成など、官民投資策を総合的に検討したとしている。


情報発表元:国土交通省 - 2035年に必要な我が国の船舶建造能力確保を目指します ~「造船業再生ロードマップ」の策定~