画像提供:海上保安庁

海上保安庁は、2025年12月8日(月)23時15分に青森県東方沖を震源として発生したマグニチュード7.5の地震を受け、後発地震への備えとして三陸沖で海底地殻変動観測を実施した。

同庁は、地震に伴う海底の変動状況を把握するため、三陸沖に設置している「釜石沖1」および「釜石沖2」の観測点において、測量船「海洋(HL-05)」による海底地殻変動観測を行った。観測は12月9日(火)から10日(水)にかけて実施された。両観測点は、同庁が保有する観測点の中で今回の地震の震源に最も近く、北海道・三陸沖後発地震注意情報に関連する海溝型巨大地震の想定震源域南端付近に位置する地点。

観測の結果、「釜石沖1」および「釜石沖2」の両観測点において、今回の地震に伴う顕著な地殻変動は検出されなかった。単発の観測精度であるおおむね±5センチメートルを超える変動は認められていない。

海溝付近のプレート境界では、ひずみが蓄積され、海溝型地震の発生時に解放されることで、海底を含む陸側プレートの地殻変動として現れる。地殻変動の量は地震の規模や震源からの距離によって異なるが、今回の観測では顕著な変動が確認されなかったことから、三陸沖の観測点周辺では地震によるひずみの解放はほとんどなかったと考えられている。

今回得られたデータは、マグニチュード7.5の地震後に海底で初めて取得された地殻変動の実測値であり、今回および今後の地震活動の評価に用いられる情報の一つ。観測結果は、次回の地震調査委員会に報告される予定。

観測に使用された測量船「海洋」は、1993年10月就役の総トン数550トンの船舶で、全長60.0メートル、幅10.5メートルの船体を有し、海底地殻変動観測などの海洋調査に従事している。


情報発表元:海上保安庁 - 森県東方沖を震源とする地震後に三陸沖の海底地殻変動観測を実施しました
 
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