横須賀市は2025年12月16日(火)、三浦半島地域における災害支援体制の強化を目的として、「港と船を活用した物資運搬等訓練」を実施する。能登半島地震等の教訓を踏まえ、災害により陸路が寸断された想定のもと、海沿いの集落へ迅速かつ的確に物資を運搬する体制の構築を図る訓練として展開される。
訓練は、国土交通省港湾局が推進する「命のみなとネットワーク」形成の一環として行われるもので、横須賀市とともに、鎌倉市、逗子市、三浦市、葉山町の三浦半島地域の関係自治体、ならびに関係機関との連携強化を目的としている。また、2025年3月25日に横須賀市と国土交通省国土技術政策総合研究所との間で締結された協定に基づき、同研究所横須賀第二庁舎(久里浜)を災害活動拠点とする準備訓練や、水難事故を想定した海上自衛隊による救助訓練も併せて実施される。
訓練は、10時から平成港と久里浜港で開始され、13時30分からはメイン会場となる長井漁港にて実施される。想定される災害は、冬季の平日10時に発災する三浦半島断層群地震であり、訓練対象の期間は発災から72時間後とされている。
訓練シナリオでは、直下型地震によって三浦半島の東西を結ぶ道路が寸断され、市西部の海沿いの集落が孤立した状況を想定。横須賀市が国に支援を要請し、横須賀市東部漁業協同組合の漁船によって港内の安全が確認されたのち、平成港および久里浜港から市職員および研究所職員が関東地方整備局の航路調査船「べいさーち」に乗船して長井漁港へ向かう。
並行して、災害支援協定に基づき国土技術政策総合研究所横須賀第二庁舎を災害活動拠点として活用する準備が進められる。長井漁港では、国土技術政策総合研究所、港湾空港技術研究所による被災岸壁の健全性確認が実施され、船舶の着岸可否が判断される。その後、横須賀海上保安部の巡視艇「ゆうづき」が支援物資を積載して着岸し、長井町漁業協同組合の協力により物資の陸揚げと避難所への輸送が行われる。さらに、物資陸揚げ中の水難事故を想定した海上自衛隊による救助訓練も展開される。
訓練には横須賀市をはじめ、国土交通省 関東地方整備局、国土技術政策総合研究所、港湾空港技術研究所、横須賀海上保安部、海上自衛隊 横須賀地方総監部 横須賀警備隊、横須賀市東部漁業協同組合、長井町漁業協同組合の計8団体が参加する。
情報発表元:横須賀市 - 港と船を活用した物資運搬等訓練の実施について【関連ジャンル】 港湾 : 横須賀港 海運事業者 : 海上保安庁












