名村造船所は2025年11月28日(金)、佐賀県の伊万里事業所にて建造していたF.J. LINES INC.向けの18万2千トン型ばら積み運搬船「AQUABELLA(アクアベラ)」を引渡した。同船は、新たに開発された載貨重量18万2千トン型ばら積み運搬船の第2番船にあたる。
「AQUABELLA」は、フランスのダンケルク港に入港可能な最大船型「DUNKIRK MAX」を志向した主要寸法を有する設計で建造された。省エネ性能の向上を目的に、名村造船所が独自に開発した「Namura flow Control Fin（NCF）」や「フィン付き舵(Rudder-Fin)」に加え、NCF後流の流場を改善する省エネフィンを採用している。
主機関や主発電機関には窒素酸化物(NOx)排出の第3次規制に適合した機種を搭載し、エア式船尾管シール装置も採用することで、環境配慮型の構成とした。さらに、機関部冷却システムにはセントラル清水冷却方式を導入し、船内のメンテナンス作業の負担軽減が図られている。
港湾内での汚水排出規制への対応としては、生活排水や雨水、カーゴホールド洗浄水を適切に管理するための汚水等の貯蔵タンクを装備している。また、バラスト水管理条約に準拠したバラスト水処理装置を搭載し、シップリサイクル条約に基づく有害物質一覧表(インベントリ)の作成にも対応するなど、環境保全への対応が図られている。
エネルギー効率設計指標（EEDI）では、基準値比で30％以上の削減が求められる「EEDI Phase 3」を達成している。
「AQUABELLA」の全長は291.92m、幅は45.00m、夏期満載喫水は18.20m、総トン数は94,634総トン、載貨重量は182,663重量トン。主機関にはMAN B&W 7S60ME-C10.6-EGRBP型1基を搭載し、定員は24名。船籍はマーシャル諸島となる。
情報発表元：名村造船所 - 18万2千トン型ばら積み運搬船「AQUABELLA」【関連ジャンル】 造船メーカー : 名村造船所 伊万里事業所
