
今治造船は2025年8月7日(木)、愛媛県西条市の西条工場において建造していた日本郵船向けLNG燃料209,000載貨重量トン型ばら積み運搬船「SG DAWN」を引き渡した。
「SG DAWN」は、今治造船が建造したケープサイズのばら積み貨物船で、船体構造には共通構造規則(CSR BC&OT)が適用されている。燃料として重油とLNGの2種類を使用できる二元燃料仕様で、居住区船尾側の上甲板上にLNG燃料タンクを配置することにより、重油専焼船と同等の貨物容積を確保、高い輸送効率を実現している。貨物艙にはトップサイドタンクとホッパータンクが備えられ、主要貨物である鉄鉱石などの高比重貨物の隔艙積みが可能な設計となっている。
環境性能においては、重油を使用した際でもエネルギー効率設計指標(EEDI)のフェーズ2およびフェーズ3要件を満たしており、LNG使用時にはCO2排出量を約20〜30%削減可能、さらに硫黄酸化物(SOx)の排出は約100%削減できるとしている。主機関には選択触媒還元装置(SCR)を搭載しており、窒素酸化物(NOx)の第3次規制に対応する。発電機と補助ボイラも二元燃料仕様で、LNGタンク内で発生するBOG(Boil Off Gas)を有効活用する構成となっている。
推進性能の向上に向けては、プロペラ付近に省エネ付加物を装備し、ひねり舵、推進抵抗を低減する船首形状、風圧抵抗を抑制する居住区形状、摩擦抵抗を軽減する船体外板塗料の採用などにより、運航効率の最適化を図っている。
「SG DAWN」の主要寸法は全長299.99メートル、幅50.00メートル、深さ25.00メートルで、載貨重量は210,125トン、総トン数は110,845。主機関にはMAN Energy Solutions製の7S60ME-C10.5-GI型を搭載し、航海速力は約14.0ノット。船籍は日本登録となっている。
情報発表元:今治造船 - LNG燃料209,000載貨重量トン型ばら積み運搬船「SG DAWN」竣工【関連ジャンル】 海運事業者 : 日本郵船