画像提供:今治造船

今治造船は2025年4月18日(金)、西条工場においてLNG燃料209,000載貨重量トン型ばら積み運搬船「VERDE HERALDO(ベルデ・ヘラルド)」を竣工、引き渡した。

「VERDE HERALDO」は、共通構造規則(CSR BC&OT)に準拠した船体構造を有し、重油とLNGの2種類の燃料を使用可能なケープサイズのばら積み貨物船。LNG燃料タンクを居住区の船尾側上甲板上に配置する設計により、重油専焼船と同等の貨物容積を確保しており、輸送効率の向上が図られている。貨物艙にはトップサイドタンクとホッパータンクが装備されており、鉄鉱石などの高比重貨物(3.0 t/m³)の隔艙積みに対応する設計となっている。

環境性能においては、重油を使用する場合でもエネルギー効率設計指標(EEDI)のフェーズ2要件に加え、より厳しいフェーズ3要件である基準値からの30%以上の削減にも適合。LNG燃料使用時には二酸化炭素排出量を20~30%削減でき、硫黄酸化物(SOx)の排出は約100%削減可能となっている。さらに、主機関には選択触媒還元装置(SCR)が搭載され、窒素酸化物(NOx)の三次規制に対応。発電機および補助ボイラも二元燃料仕様とすることで、LNGタンク内で発生するBOG(Boil Off Gas)を有効利用できる構造となっている。

推進性能と環境性能の向上を目的として、プロペラ近傍に省エネ付加物を設置し、ひねり舵の採用や推進抵抗を低減する船首形状、風圧抵抗を抑える居住区形状、そして摩擦抵抗を軽減する外板塗料などの技術が導入されている。

同船は全長299.99メートル、幅50.00メートル、深さ25.00メートルで、載貨重量は210,321トン、総トン数は110,708。主機関にはMAN B&W 7S60ME-C10.5-GI型エンジンを搭載し、航海速力は約14.0ノット。船籍はリベリアとなる。


情報発表元:今治造船 - LNG燃料209,000載貨重量トン型ばら積み運搬船「VERDE HERALDO」竣工
 
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