画像提供:水産庁

水産庁は2025年3月21日(金)、2024年における外国漁船に対する取締実績を公表した。これは、日本の周辺水域での違法操業の防止や、国際的な水産資源の保存管理措置の遵守確認を目的とする取組の一環で実施されているもの。

2024年における水産庁漁業取締船による外国漁船への取締件数は、立入検査が7件で前年と同数、拿捕も1件で前年同数だった。排他的経済水域(EEZ)内で発見された違法設置漁具の押収が18件で前年の8件から増加、また、北太平洋の公海における乗船検査は24件に上り、前年の16件を上回った。

EEZ内では、二国間の漁業協定に基づいて操業が許可された外国漁船に対して、水産庁が立入検査を実施。魚倉内の漁獲物や操業日誌、漁具などを確認し、操業条件の遵守状況を確認している。2024年は、日中・日韓間の漁業交渉が不調に終わったため、ロシア漁船のみが許可を得て操業を行った。

また、EEZ境界線付近では、許可を得ずに操業する外国漁船の存在を踏まえ、違法設置漁具の押収や監視・取締りが実施された。特に日本海大和堆周辺のEEZ内では、中国漁船や北朝鮮漁船による違法操業が確認されており、日本漁船の安全操業を妨げる要因となっていることから、水産庁は5月のイカ釣り漁期前より重点的に漁業取締船を配備し、海上保安庁との連携によって対応を強化。違法操業を行う漁船に対しては退去警告や放水措置を実施し、2024年は延べ78隻に対して退去警告を行い、うち延べ15隻に対して放水を行った。

さらに、公海においては、地域漁業管理機関(RFMO)が定める保存管理措置の実施状況確認のため、NPFC(北太平洋漁業委員会)に基づく乗船検査を18件、WCPFC)中西部太平洋まぐろ類委員会)に基づく乗船検査を6件、合計24件を実施し、その結果を旗国当局やRFMOへ報告した。

水産庁は今後も、違法操業が多発する水域・時期における重点的かつ効果的な取締体制の構築により、水産資源の保護と漁業秩序の維持、国際的な資源管理への貢献を継続するとしている。


情報発表元:水産庁 - 令和6年の外国漁船取締実績について
 
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