郵船クルーズは2023年9月14日(木)、2025年就航予定の新造客船について、船名を「飛鳥III」に決定したと公表した。また、同船の船籍港を「飛鳥II」と同じく横浜港とすることも明らかにされた。
「飛鳥III」は、全長は「飛鳥II」の240.9mよりも小さい228.9m、総トン数は「飛鳥II」の50,444トンを上回る51,950トンとなる。乗組員数をほぼ「飛鳥II」から維持したまま、乗客定員をの85%程度に絞ることで、より乗客に寄り添ったサービスの提供が可能になる予定。郵船クルーズは新造船の建造に向け、2021年3月にマイヤー・ヴェルフトと造船契約を締結していた。建造開始は2023年秋の予定。
郵船クルーズは、「飛鳥III」就航後、「飛鳥II」との2隻運航とすることも明らかにした。両船合わせて総トン数10万超、乗客定員約1,600名と、日本の外航クルーズ客船運航会社としては最大規模となるとしている。また、「飛鳥III」船内は、日本の芸術文化を支える作家の美術品・工芸作品の数々で彩り、「動く洋上の美術館」のような客船とされる計画。具体的には、書家の矢萩春恵氏、漆芸家で人間国宝の室瀬和美氏、画家の千住博氏、画家で初代「飛鳥」、「飛鳥II」の船内壁画を描いた田村能里子氏などの作品が設置される予定となっている。
今回公表された「飛鳥III」の船名は、「飛鳥」、「飛鳥II」と多くの乗客と共に航海し、日本のクルーズ文化を創造し発展をリードしてきた飛鳥クルーズのこれまでとこれからを「つなぐ、ちから」となるよう、またクルーズ文化を通じて引き続き人や地域をつなぐ役割を担うようにとの願いを込めて決定された。「飛鳥III」船体の船名板は、書家の矢萩春恵氏が揮毫する。
船籍港については、初代「飛鳥」、「飛鳥II」の発着港として多くの利用実績があることや、「飛鳥III」が日本のクルーズ船で初めてLNG燃料と陸上電力受電装置を採用し、環境への負荷を低減したエコシップとなる予定であり、横浜市もまた、2050年の脱炭素社会実現を目指し、カーボンニュートラルポートの形成に向けた取り組みを推進しているつながりから、横浜港に決定したとしている。
情報発表元:郵船クルーズ - 新造客船 船名は「飛鳥Ⅲ」、 船籍港は横浜に。「飛鳥Ⅱ」と2隻運航 ~人と人の交流、地域をつなぎ、日本文化をつなぐ~【関連ジャンル】 港湾 : 横浜港 海運事業者 : 郵船クルーズ